メガソーラー(大規模太陽光発電所)の運用において、雑草の管理は、長期にわたる発電期間中、継続してつきまとう課題となる。立地する場所ごとに雑草の育成状況や、取りうる対策は異なり、現在のところ、万能な解決策は見当たらない。
とくに雑草が育ちやすい場所の一つが、農地の近くに開発されたメガソーラーとなる。農地に適しているのは、肥沃な土地で、日射に恵まれること。豊富な日射量は、太陽光発電にとっても魅力になるとともに、周辺の土地が肥沃であることが多いことから、雑草が根付きやすく、繁茂しやすい。
現在、国内のメガソーラーで多く採用されている雑草対策が、草刈りである。雑草が一定以上に伸びた頃に刈ることを、定期的に繰り返す。冬の間は、雑草が枯れていることが多いので、春から秋にかけて、年に2~3回、実施している場合が多い。
草刈りは、面積が広くなるほど、作業者の身体的な負担が大きくなる。しかも、雑草が伸びやすいのは、夏の高温多湿な時期である。こうした時期の日中の作業となることで、さらに身体的な負担が増す。
こうした草刈りの作業負担を軽減し、かつ効率化する手法として、乗用型草刈機の活用が広がってきている。ゴーカートのような小型の4輪車に乗って、敷地内を運転して回ることで、椅子の下にある回転刃が、雑草を刈り込んでいく。
従来、一般的だった刈払機に比べ、歩き回って体を左右に振る動作がないため、作業そのものの身体的な負担が減る。面積あたりの除草時間が短いために、作業時間も短縮できる。
今回、九州の田んぼの隣に立地するメガソーラーにおいて、乗用型草刈機を使った上、発電設備の工夫によって、さらに作業を効率化した事例を取材した(図1)。