ギリギリまで乗用型草刈機で刈る
乗用型草刈機による敷地内の除草では、大きな特徴がある。アレイの前後だけではなく、アレイ下の深い部分まで、乗用型草刈機を走らせて雑草を刈ることである(図5、動画5)。
乗用型を使うメガソーラーは増えてきているが、このようにアレイの下まで走らせる発電所は珍しい。
アレイの下を走る際には、首や身体を大きく倒し、パネルや架台にぶつからないようにしながら、雑草を刈っていく。こうした使い方は、果樹園でよく見られる。
太陽光パネルの設置角は10度で、設置高もそれほど高くないので、アクロバティックな走行となる。
アレイの下まで乗用型草刈機が走れるのは、コンクリート基礎と鉄製架台の構造による(図6)。パネル低部側と高部側に配置する凸型のコンクリート基礎以外には、乗用型草刈機の走行を妨げない構造にしている。
これによって、アレイの下を東西方向に長い距離を走れる。
凸型のコンクリート基礎は、パネル直下まで伸びている。架台は最小限で、南北方向に傾けた垂木(パネルを直接支える部材)と、東西方向のレール状の桁材だけである。筋交いなど、乗用型草刈機の走行を阻害する構造部材がない。
ケーブルは地中に埋設している。こうした基礎や架台、ケーブルの敷設方法によって、乗用型草刈機が走行しやすくなっている。
他の保守作業の効率の向上や、長期信頼性の向上にもつながっている。
乗用型草刈機は、基礎のギリギリまで近づけて走り、雑草を刈る。これによって、刈り払い機を使う場所の面積を減らし、草刈り全体の効率をより高めている。