固定価格買取制度(FIT)によって2013年以降、全国に続々とメガソーラー(大規模太陽光発電所)が稼働し始めた。北海道や東北、北陸などの多雪地帯にあるメガソーラーは、すでに何度か冬を乗り切り、積雪を経験している。積雪に対応した設計や積雪期のメガソーラーのO&M(運営・保守)についても、徐々に知見が蓄積されてきた。

 広く知られているのは、設備上の工夫である。太陽光パネル上に積もった雪が滑り落ちやすくなるように、パネルの設置角を30~40度まで大きく傾ける。さらに、滑り落ちた雪が、パネルの下で山のように積み上がっても、パネルの最低部とつながるまでの時間を長くするために、パネルの設置高を大きく確保するといった工夫が施されている。

 O&M(運用・保守)については、どのような状況になっているのだろうか。今回、北海道を代表する多雪地域において、多雪の時期に実施された太陽光発電設備の点検に同行する機会を得た(図1)。

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図1●岩見沢市にある太陽光発電所の点検の様子
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図1●岩見沢市にある太陽光発電所の点検の様子
北海道電気保安協会による「月次点検」。2月下旬に実施(出所:日経BP)

 岩見沢市にある、出力692kWの「岩見沢市岡山太陽光発電所」で、北海道電気保安協会が点検した。発電事業者はTOHOピクス(福島県郡山市)で、O&Mを担当する企業が、電気保安管理業務を同保安協会に委託している。

 O&Mを担っているのは、電気工事で知られる企業である。この企業は、太陽光発電関連では、自社で発電事業に取り組むとともに、発電設備の施工やO&Mを全国各地で手掛けている。今回、点検した太陽光発電所でも、発電設備の施工と、稼働後のO&Mを担当している。

 点検した太陽光発電所は、岩見沢市街の中心部から東に約4km、岩見沢駅からクルマで10分ほどの距離にある。

 今回の点検は、「月次点検」と呼ばれるものだった。3カ月に1回、実施する。