痛みや副作用が少なく、患者の“Quality of Life(QOL)”の向上に有効な医療が求められている。従来の外科的な手術から、光・放射線・熱などを用いた、新しい治療方法が注目されている。

 「光治療」について、特に紫外放射(UV-A、UVB)を用いた皮膚疾患に対する光線療法は、国産機器として、2002年ナローバンドUVB、2008年にエキシマライトが開発された。ナローバンドUVBは、311~312nm付近に強い放射スペクトルを持つ、放射帯域幅の非常に狭い光源(狭帯域(ナローバンド)発光光源)にて治療を行っている。光源に用いられるランプは、低圧水銀ランプに311nmを放射する蛍光体を塗布したTL01((株)フィリップス エレクトロニクス ジャパン)が用いられた。

 その後開発されたエキシマライトには、308nmをピークとする光を放射するXeClを用いた誘電体バリアー放電エキシマランプが光源で使用された。特にわれわれは、必要な波長を強く放射できるよう、エキシマランプの中でも、より狭帯域発光波長を持った、空冷タイプのエキシマランプを開発し上市した。