講演中の様子
講演中の様子
(撮影:著者)
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工場やオフィス、店舗では、室内のCO2濃度を一定値以下に抑えることが求められており、そのために空調を常に稼働させることが多い。CO2を検知することで空調の稼働時間を減らし省エネにできる。オムロンは、省エネ化に有効なセンシング技術を開発した。以下は、同社で開発にあたった本多祐仁氏が明らかにした内容である。NMEMS技術研究機構、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による共同研究事業「グリーンセンサ・ネットワークシステム技術開発プロジェクト」(2011年度~2014年度)の最終成果報告会(2月26日開催)における「低消費電力CO2濃度センサの開発」と題する同氏の講演から構成した。

図1●室内ではCO<sub>2</sub>濃度を1000ppm以下に抑える
図1●室内ではCO2濃度を1000ppm以下に抑える
ビル管理法で定められている(出所:オムロンの本多氏)
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 大規模な生産工場、オフィスビル、店舗などでは、健康に悪影響を及ぼさないように、ビル管理法によって、快適な室内の維持が義務付けられている(図1)。

 定められている仕様の1つがCO2濃度である。大規模な生産工場、オフィスビル、店舗などにおける室内環境として、CO2濃度を1000ppm以下に抑えることが義務付けられている。

 人が存在しない大気中の場合、一般的なCO2濃度は約400ppmとなる。CO2濃度が1200ppmに高まると、気分が悪くなる。さらに5000ppmまで高まると、健康に悪影響を与える。