中部電気保安協会は、太陽光発電システムの電気保安管理業務を受託した顧客向けに、ロボットを使って太陽光パネルを自動で洗浄するサービスの導入を検討している(図1)。

図1●顧客の太陽光発電所で洗浄ロボットの活用を検証中
図1●顧客の太陽光発電所で洗浄ロボットの活用を検証中
点検中の作業となるため自律運転が必須。シンフォニアテクノロジーの自動洗浄型を導入(撮影:中部電気保安協会)

 太陽光パネルの上には土埃が積もったり、鳥の糞がこびり付いたりといった汚れが生じる。火山が近い地域では、火山灰が降り積もることもある。パネルが一定以上の設置角に傾いていれば、雨が降った際に、雨水が汚れを流れ落とす効果が期待できるが、固化して落ちにくい汚れもある。

 パネルを洗浄する目的は、こうした汚れによる発電量の低下を改善することにある。汚れを取り除くことで、本来の出力を回復させる。

 太陽光パネルの洗浄ロボットは、人手による洗浄の手間や時間を軽減する方法として、国内外の企業が、さまざまなタイプを開発している。

 中部電気保安協会は、洗浄ロボット導入を検討する際、ラジコンなど手動で操作する方式でなく、ロボットが自律的に洗浄する方式を想定している。発電設備を点検している間に、点検従事者の追加的な作業を最小限に抑えつつ、パネルを洗浄することを目指しているからだ。

 点検を始める前に、パソコン上などで洗浄ルートを設定し、それに従って、ロボットが自律走行してパネルを洗浄する。自律走行型といっても、現実には、アレイ(太陽光パネルを架台に設置している単位)とアレイが離れていることから、その間の移動や、洗浄に使う水の補給などが必要になる。極力、そうした手間が少ないことが望ましい。

 こうした目的に合いそうな洗浄ロボットとして、シンフォニアテクノロジー(旧・神鋼電機)のパネル洗浄用のロボットを1台購入し、サービスへの導入が可能かどうか、検証を始めた。購入費は、約130万円だった。