メガソーラー(大規模太陽光発電所)の除草作業を効率化する手法の一つとして、イタリア企業の製品化した「ラジコン型の草刈機」が提案されている(図1)。
除草作業では、面積が広いほど、効率化が課題となる。機械による除草では、従来から広く使われる刈払機のほか、ゴーカートのように運転して走りながら除草できる回転刃を備えた「乗用型草刈機」が広まっている。
ラジコン型の草刈機は、乗用型と同じような効率性に加え、急斜面にも強いため、ゴルフ場跡地や山間のメガソーラーで利用範囲が広がる可能性がある。
従来の刈払機は、作業者がベルトを介して肩や腰で支えながら歩き回って雑草を刈るために、メガソーラーのように広大な敷地面積になると、作業量は膨大になる。夏の炎天下での作業になると、さらに作業者の身体的な負担が大きい。太陽光発電所は、当然ながら日射に恵まれ、かつ、日を遮る設備は備えていない。
乗用型やラジコン型の草刈機は、人が機体を持ち運ぶ必要がないことに加え、単位面積当たりの作業効率が高いことから、作業者の身体的な負担を低減できる。
ただし、フェンスや基礎、電線を地上に敷設するラックの脇など、刈払機しか使えない場所がある。草刈り作業を効率化するには、乗用型やラジコン型など効率的な草刈機を最大限に活用し、刈払機を使う場所をできるだけ少なくすることが重要になる。
作業の効率が向上することで、1回の草刈り作業に要する時間や作業者数を減らせるため、O&M(運用・保守)費用の削減にもつながる。
ラジコン型草刈機による除草は、太陽光発電関連事業を手がけるギガソーラー(東京都港区)が提案している。イタリアでは高速道路の法面などで使われているという。大型の草刈機をラジコンで操作し、短い雑草だけでなく、背の高い雑草まで刈り込める(動画1)。
同社は、太陽光発電関連の中小企業集団の受け皿として2014年に設立された企業で、太陽光発電所の開発やEPC(設計・調達・施工)サービスなどを手がける。施工やO&Mの手法なども独自に開発しながら、事業や業容を拡大してきた。