O&M先で雑草による発電量の低下も

 同社の青木克伸社長によると、自社で開発した太陽光発電所は、稼働済み・建設中を合わせて約30カ所・合計出力約30MWとしている。連系出力2MW以下で高圧配電線に接続する案件が多い。

 完成した太陽光発電所は、基本的に売却している。今後、完成する発電所の中には、自社で所有し続ける案件も出てくるとしている。

 自社で開発し、売却した太陽光発電所を中心に、O&Mも手がけている。施工やO&Mは、子会社のギガエンジニアリングが担当している。

 発電事業者がO&Mを外部に委託する場合、管理の手間を効率化するため、O&Mに関連するすべての業務を一括で委託したいという要望は多い。雑草の除草についても、O&Mのサービス項目に含めて欲しいとのニーズは高い。

 ただし、同社のO&Mサービスには、自社開発した「遠隔監視システム」や、綜合警備保障と提携した「駆け付けサービス」などを含めているが、草刈りについては、できるだけ地域の事業者に委託することを勧め、引き受けてこなかった。

 しかし、メガソーラークラスの規模になると、除草費用が高額になることから、低コスト化した除草サービスの提供を求められることも増えてきたという。また、急激な発電量の低下を検知した太陽光発電所に向かうと、雑草が太陽光パネルより高く伸び、その陰による発電量の低下だったことがわかる例も出てきた。

 このため、O&Mのサービス項目に「草刈り」を加えることを検討し始めた。

 草刈りのサービスを事業化するからには、除草作業の効率を高めたいと考え、国内で市販されているさまざまな草刈機を試したものの、同社にとって魅力的な機種が見つからず、海外メーカーまで範囲を広げて探し、最終的にイタリアの重機メーカー製の「ラジコン型草刈機」に行き着いたとしている。

 機種の選定では、機械関連の経験が豊富な山内実会長の知見が生きたという。

 イタリア企業が製品化していたラジコン型の草刈機は、広大な場所を刈る目的から、エンジンで駆動し、かなり大きな車体となっている。

 高速道路の法面で使われるなど、傾斜にも強い。クローラー(キャタピラー)式の走行のため、60度程度の急な傾斜地でも運用できる。タイヤ式の乗用型の場合、斜面での作業は15度までが限界とされる。ラジコン型を使えば、ゴルフ場跡地など急な斜面の多いメガソーラーでも利用範囲が広がる。