北海道電気保安協会は、「ドローン」とも呼ばれる無人小型ヘリコプターを使った太陽光パネルの点検・診断サービスを、2015年4月から本格的に始めた(図1)。上空から撮影したパネルの画像を基に、不具合の可能性を報告する。

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図1●無人小型ヘリで撮影した画像を基に、不具合の可能性がある太陽光パネルを報告
図1●無人小型ヘリで撮影した画像を基に、不具合の可能性がある太陽光パネルを報告
2人一組で現地に向かい運用する(出所:北海道電気保安協会)
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 赤外線カメラを使って、太陽光パネルの熱分布を示す画像を撮影し、それらを比較・分析することで、パネルの不具合やその予兆を発見する。

 周囲のパネルより温度が高く、過剰に発熱している「ホットスポット」は、断線やクラック(割れ)の可能性があり、発電量の低下ばかりでなく、安全上の問題を引き起こす恐れもある。一方、逆に、周囲よりも温度が低下している場所は、発電停止の可能性がある。

 通常、こうした赤外線カメラによる太陽光パネルの熱画像は、点検などの際、作業者が敷地内を歩きながら、パネルの前で撮影する。メガソーラー(大規模太陽光発電所)クラスになると、その手間と時間は膨大になり、コストもかかる。

 北海道電気保安協会では元々、電気保安上の点検などを受託している太陽光発電所を対象に、オプションとして別料金で引き受けてきた。上空から撮影することで、より効率的な熱画像の取得を目的に、無人小型ヘリコプターの導入を検討した。