三重交通グループホールディングスの事業会社である三交不動産(三重県津市)は、同社が運営している太陽光発電所の保守・保安業務に、立ち乗り電動二輪車「セグウェイ」を導入した(図1)。

図1●合計出力約15MWの「松阪山室メガソーラー発電所」に導入
図1●合計出力約15MWの「松阪山室メガソーラー発電所」に導入
移動の効率化を見込む(出所:日経BP)
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 セグウェイは、乗った人の重心の移動によって、走行する方向や速度などを操作する乗り物である。アクセルやブレーキなどはない。ハンドルはあり、傾けた方向に進むが、あくまで重心の移動を補佐するための役割となっている。米セグウェイ社が開発・製造している。

 太陽光発電所は、出力規模が大きくなるほど、広い敷地に太陽光パネル、接続箱、パワーコンディショナー(PCS)などの設備が点在することになる。分散している発電設備を巡回する際、移動に要する時間を短くし、点検作業を効率化することが求められる。

 セグウェイはこうした要望を満たすのに適し、北海道や中部といった各地の電気保安協会などがいち早く採用している(北海道電気保安協会の関連コラム中部電気保安協会の関連コラム)。三交不動産は2016年3月、民間企業の発電事業者として初めて採用した。

 三交不動産は、運営している太陽光発電設備の約84%に相当する、合計出力約33MWを自社グループで保安している。

 セグウェイの導入により、メガソーラー内の移動時間を短縮し、歩行による移動に比べて、保守・保安業務に要する時間を約40%、効率化できると見込んでいる(動画1)。

動画1●約500mの通路をあっという間に移動
導入した「松阪山室メガソーラー発電所」の敷地面積は約16.4ha(出所:日経BP)

 同社では、保守・保安業務の一つとして、1カ月に1回、各太陽光発電所を巡回し、発電設備の外見などに異常がないか、目視点検している。