地域別の体制整備で六ヶ所村の115MWの空撮も効率化
今回、ドローンによるサービス拠点を拡充することで、年間の空撮回数を増やしていく。それも、全国各地の拠点から出向いて空撮することで、運用の柔軟性も高めることを目指している。
これまでは、関東の拠点に駐在している数人がドローンによるサービスを担い、現地を空撮して回っていた(図6)。
空撮の予定日でも、天候や状況によっては延期することもある。ドローンを持参しての移動にも時間を要する。現地での撮影担当者が、関東から出向く数人だけでは、空撮スケジュールに制約が多く、1年間に空撮できる回数が限られる。
例えば、国内最大となる六ヶ所村のメガソーラーの空撮では、2機を同時に飛行できる体制で臨み、実際に飛行して空撮した日の合計は12日間となった。
12日間といっても、連続して毎日、空撮できるわけではない。天候や同社の安全基準によって飛行の可否が決まるため、実際には週に数日は空撮できても、残りの日は飛行できない状況が生じる。12日間の飛行可能な日を確保するのに、例えば、約1カ月間をかけるような場合もありうる。
ここまで規模が大きくなくても、どの案件でも、こうした運用期間の不確実性などが付いて回る。需要の拡大を見越して、新たな体制整備の必要な時期に入ってきたと綜合警備保障は考えた。
そこで、これまでの関東の拠点に加えて、6地域にドローンを運用できる拠点を整備し、各地の拠点から現地に出向いて空撮する体制に変え、空撮スケジュールの制約を少なくする。
柔軟な対応と空撮の効率化の両方に寄与し、複数日の空撮が必要な案件では、空撮を終えるまでの期間を短縮しやすくなる。これらの拠点は、警備の事業のネットワークを活用する。
それぞれの拠点でドローンの運用を担う予定の従事者は、今後、国土交通省が定めた認定機関による講習を活用し、技能を習得していく。
さらに、同社で現在、サービスに従事している担当者による、実務に基づく技術や知見、ノウハウを伝える研修も加えることで、同社の基準を満たしたサービスを全国各地の担当者が実現できるようにしていく。