綜合警備保障(ALSOK)は、ドローン(無人小型飛行体)を応用した太陽光発電向けサービス事業をいち早く手掛けてきた(図1)。本格的にサービスを始めてから2年以上経ち、2017年度を通じて、この事業をさらに拡大させるための体制を整備していく。
これまでに安全を確保しながら空撮する手法などを確立してきた一方、年を追って増える需要を見据えると、ドローンの現地での運用に限りがあり、需要に応えきれなくなる恐れがあった。
今後、全国の7地域(北海道、東北、関東、中部、関西、中国・四国、九州)にドローンを現地で運用できる拠点を整備し、需要の拡大を取り込める体制としていく。
太陽光発電向けのドローンによるサービスでは、主に稼働中のメガソーラー(大規模太陽光発電所)の上空を飛行し、太陽光パネルを空撮する。通常のデジタルカメラと、赤外線カメラという2種類のカメラを使って同じ位置から撮影する。
赤外線カメラによる撮影によって得た太陽光パネルの熱分布の画像から、周囲に比べて過剰に発熱している様子を判別し、不具合を生じている場所などを特定する。
雑草や周辺の構造物などによる影や、鳥のフンなどが原因の場合には、通常のデジタルカメラによる画像と比べることで、一目でわかることもある(図2)。
空撮した後、画像を分析し、熱分布に異常が見つかった太陽光パネルの位置とともに、顧客に報告する。
メガソーラーにおけるドローンによる空撮の利点は、撮影を効率化できる点にある。携帯型の赤外線カメラを持って、1枚ずつ撮り歩く手法では、発電所の規模が大きくなるほど撮影者の手間や時間、身体的な負担に加え、撮影に要するコストが増す。
ドローンを使って空撮すれば、この撮影の作業を大幅に効率化できる。