太陽光発電所のメンテナンス関連サービスを手がけるGolden Leaf-Works(東京都江東区)は、ブラシを使わず、非接触で太陽光パネルを洗うロボットを開発した(図1)。
太陽光パネルの表面には、埃や黄砂、鳥の糞などによる汚れが付着する。立地する地域や周辺環境によって、この汚れがひどく、発電効率の低下につながることもある。
こうした汚れを取り除くことで、太陽光発電所全体の売電量を、増やせる可能性もある。こうしたニーズを捉え、発電事業者やO&M(運用・保守)事業者に対して、複数の企業が太陽光パネル用の洗浄ロボットを提案している。
これまでの太陽光パネル向け洗浄ロボットは、いずれもブラシを使ってパネルの表面をこすることで、パネル表面に付着した汚れを落とす。
Golden Leaf-Worksの溝渕英明社長によると、洗浄効果の利点を感じながらも、多くの事業者がパネル表面を「こする」という方法に対して、抵抗を感じているという。そこで洗浄ロボットの導入を決断しやすい方式として、「非接触」方法を開発した(図2)。
開発した洗浄ロボットは、噴射ノズルを装着した格子状の構造体が、パネル上をゴムタイヤで移動しながら、圧縮空気を吹き付けて、汚れを落とす。これだけでは落ちにくい場合があるため、圧縮空気と一緒に、アルカリイオン水をノズルから噴射する。
他の分野で使われていたノズルの技術を太陽光パネル洗浄に応用したもので、関連特許も申請している。
現在、試作機を使って検証しており、実際の洗浄サービスに使う機種は、2017年夏ごろから運用を開始する予定としている。
国内ではリースやフランチャイズ制、海外では合弁企業によるサービス展開を構想している。