歴代総理3人が揃い踏み

 農地のうち、架台の設置部分を一時転用して太陽光発電事業を実施する仕組みを利用した。パネル下の農地では、地元の農業生産法人により、大豆や麦など、付加価値の高い農産物の有機栽培を予定している。年間の発電量は約1424MWhを見込む。

 発電事業の主体は、SPC(特定目的会社)の「匝瑳ソーラーシェアリング合同会社」。匝瑳市を中心にソーラーシェアリングに取り組む市民エネルギーちば(匝瑳市)が設立し、en(東京都渋谷区)と千葉エコ・エネルギー(千葉市)も出資した。太陽光パネルはWWB社(東京都品川区)製(115W/枚)、パワーコンディショナー(PCS)は独SMAソーラーテクノロジー製を採用した。

 4月3日の竣工式では、再生可能エネルギーを推進する識者などが招かれ、小泉純一郎氏、菅直人氏、細川護熙氏という、歴代の総理大臣経験者3人も参列した。小泉氏は「歴史的な一歩。太陽光発電だけでもやっていける。電気が余るようになる。そんな予感がした」と、ソーラーシェアリングへの期待感を述べた(図3)(図4)。

図3●2017年4月3日に落成式が行われた(出所:匝瑳ソーラーシェアリング合同会社)
図3●2017年4月3日に落成式が行われた(出所:匝瑳ソーラーシェアリング合同会社)
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図4●歴代の総理大臣経験者3人が参列した(出所:匝瑳ソーラーシェアリング合同会社)
図4●歴代の総理大臣経験者3人が参列した(出所:匝瑳ソーラーシェアリング合同会社)
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 市民エネルギーちばは、これまで市民出資による低圧配電線に連系するソーラーシェアリング型の太陽光発電所を市民出資などにより資金調達し、建設・運営してきた実績がある。規模の大きな「匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所」については、城南信用金庫によるプロジェクトファイナンスとSBIエナジー(東京都港区)による社債引き受けによって、資金を調達した。