建設機械大手のコマツは、石川県小松市にある「コマツ粟津工場」内の建設機械組立工場をリニューアルしたのを機に使用電力の約7割、使用する重油の3分の2を再生可能エネルギーで賄うことに成功し、化石燃料を使わないモノづくりに大きく前進した。

太陽光とバイオマス発電を自家消費

 コマツ粟津工場は、総建屋面積24万7000m2、従業員約3000人の同社の主力工場。新組立工場では、ホイールローダとモータグレーダ、クローラタイプの油圧ショベル、ブルドーザを生産している(図1)。建屋の全長225m、総面積3万1900m2で、粟津工場内でも最大規模の建屋になる。

図1●「コマツ粟津工場」の新組立工場(出所:日経BP社)
図1●「コマツ粟津工場」の新組立工場(出所:日経BP社)
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 新組立工場では、冷暖房と生産工程で使う蒸気や圧縮空気の製造などに重油を、クレーンや生産設備、照明などに電気を使っている。

 建屋と生産設備は2014年5月に竣工し、その後、2015年4月までに再生可能エネルギーとして、木質チップを燃料にしたバイオマス・コージェネレーション(熱電併給)システム、出力550kWの屋根上太陽光発電システムを稼働させた。いずれも固定価格買取制度(FIT)を利用して売電せず、全量を自家消費している。