「原油価格の変動に一喜一憂しない」
2台のコンテナの中に、最大で各500個の電動フォークリフトの蓄電池を設置した。1つのコンテナで最大約50kWhの容量になるという(図10)。
また、新組立工場では、大型のボルト締めに関しては、バイオマスボイラーの蒸気で製造した圧縮空気を使い、小型のボルトは太陽光発電の電気で充電した蓄電池式電動工具を活用している(図11)。化石燃料を使わないモノづくりの実践例といえる。
新組立工場に対する総投資額は約78億円。バイオマス関連設備への投資額は約4億円で、そのうち国と県から計約2億円の補助を受けた。当初の重油削減効果で試算すると約7年で投資回収できる計画だった。だが、ここにきて、石油価格が下がり、重油節約の経済効果が小さくなっている。
だが、コマツの戸井課長は、「再生可能エネルギーの利用は、これからのモノづくりにとって絶対に必要なこと。重油価格の変動に一喜一憂せず、長期的な視点に立ち、今後も、導入に取り組んでいきたい」と、話す。