バイオマスの利用効率は約7割

 バイオマスコージェネは、年間7000tの木質チップを活用する。平均的には1時間に1200t程度のチップを投入し、4~5t(4300~4700kWhに相当)の高温高圧の蒸気を製造し、まず蒸気式コンプレッサを回して75kWh分の圧縮空気を作って製造工程で活用する。

 コンプレッサの排蒸気を使って蒸気式発電機(210kW)で210kWhの電気を生み出し、圧力の下がった蒸気の2700~2900kWh分が吸収式空調機による冷暖房の熱源に使われる。この段階でエネルギー利用の総合熱効率は約70%に達する(図2)。

図2●バイオマスボイラーの蒸気を多段利用(出所:コマツ)
図2●バイオマスボイラーの蒸気を多段利用(出所:コマツ)
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 さらに、冷暖房に使った後の70~80度まで下がった温水を木質チップの乾燥に利用しており、それも含めるとバイオマスの総合熱効率は70%を大きく超えることになる。バイオマスの燃焼による熱利用で、重油の使用量は、本来の3分の1で済んでいる。

 再エネの年間発電量は、バイオマス発電が150万kWh、また、550kWの太陽光発電は設備利用率14%で試算すると約67万kWhとなる。新組立工場の年間電力使用量は約300万kWhなので、バイオマスと太陽光を合わせた再エネ電源の比率は約7割になる。

 つまり、バイオマスと太陽光の活用により、新組立工場で使用するエネルギー(重油と電気)の6~7割を再エネで賄っていることになる。