兵庫県北部に位置する豊岡市。かつて但馬国(たじまのくに)と呼ばれ、多くの史跡とともに豊かな自然が息づく。北は日本海、東は京都府に接し、中央には多様な生物相で知られ、ラムサール条約にも登録された円山川が流れている。

 国指定の特別天然記念物であるコウノトリを自然環境の中で育て、人里で野生への復帰を目指すという、世界的に例のない試みでも知られる(図1)。かつて野生のコウノトリが国内で最後に生息した地だった。一度は絶滅したものの、その原因の一つとなった農薬を排した農法を広めた結果、飼育したコウノトリが農地に戻ってきただけでなく、収穫したコメや野菜のブランドを高めるという経済的な価値も生み出した。

図1●農地の上を飛ぶコウノトリ
図1●農地の上を飛ぶコウノトリ
自然環境の中で育て、人里で野生への復帰を目指す(出所:日経BP)
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 市内には、城崎温泉をはじめ、神鍋スキー場、旧城下町の出石など、観光地が点在する。かばん(バッグ)や、白磁の焼き物である出石焼などの産地でもある。

 その豊岡市が、大規模な太陽光発電事業に取り組んでいる。4カ所の太陽光発電所に関わり、そのうち3カ所では自ら発電事業を運営している。