ユニット接続部はゴムに

 大きく変えた部分もある。ユニット間の接続部である(図7)。これまで採用してきたScotra社製は、ボルトなどを使って強固に接続していた。今回は、ゴムの部材を使った。

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図7●ユニット間はゴム部材で接続
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図7●ユニット間はゴム部材で接続
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図7●ユニット間はゴム部材で接続
大きく変えた部分(出所:右下は東和アークス、そのほかは日経BP)

 ユニット内は強固な構造にし、一方で、連結部は水面の揺れなどに柔軟に対応できるようにすることで、より安全性や信頼性などを増したとする。

 このゴムの部材の開発には、多額の費用を要した。ゴムを数層に重ねて構成したもので、自動車と同じグレードの耐久試験を適用しながら開発した。

 芳沼の出力1.2MWの水上メガソーラーの施工では、27枚の太陽光パネルを支えるユニットを組み、このユニットを一つの単位として池に浮かべている。ユニット単位で強固な構造となり、これを連結していくことで、池の上に島のように浮かんだフロート全体が、安定的な構造を形成できるとしている。

 フロートの係留には、池底に沈めたコンクリートブロックを使う。チェーンとロープで繋ぐ手法で(図8)、池底や池の堤体にアンカーを打ち込まない。

図8●フロート側のチェーン
図8●フロート側のチェーン
池底に沈めたコンクリートブロックとつなぐ(出所:東和アークス)
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 最終的に、144ユニットで、3888枚の太陽光パネル、36台の分散型パワーコンディショナー(PCS)を浮かべる。太陽光パネルは韓国S-Energy社製、PCSはサンケン電気製の出力27.5kW機を採用した。

 分散型PCSを採用しているため、接続箱のない構成となる。フロートの上には、太陽光パネルとともに、今回は接続箱の代わりに分散型のPCSを固定する(図9)。

図9●分散型のPCSを固定
図9●分散型のPCSを固定
集中型PCSを採用した場合は、ここに接続箱を固定(出所:東和アークス)
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