三井住友建設は2017年5月、香川県にある農業用ため池の水上を活用した、出力2.6MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「平木尾池水上太陽光発電所」の施工を開始した(図1)。11月に売電を開始する予定となっている。

図1●出力2.6MWの「平木尾池水上太陽光発電所」
図1●出力2.6MWの「平木尾池水上太陽光発電所」
現在は施工中で、11月に売電開始予定(出所:日経BP)
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 木田郡三木町にある「平木尾池」の水面を利用する。池の水面のうち、約2万9000m2に9504枚の太陽光パネルを浮かべる。

 同社が発電事業者となるとともに、太陽光パネルを水上に浮かべる部材であるフロートに、自社製を採用した(関連ニュース1)。

 同社は2015年にフロートを製品化し、国内外で実績を積み重ねてきた。同社にとって、資材の供給という、本業の建設とは異なる事業モデルで展開できることが、参入した理由の一つだった。

 フロート架台という建設資材としての施工性や保守性に対する評価に加え、総合建設会社(ゼネコン)ならではの知見、中でも、エンジニアリング力、長期の耐久性や安全性などへの信頼感が強みになっているという。

 製品化に向けて開発中だった2014年度には、香川県農政水産部農村整備課による、ため池での太陽光発電の実証実験(関連ニュース2)の施工を担当した。香川県は、県内に多いため池を水上太陽光発電に活用できないかと検討する中で、同社がフロートを開発していることを知って実証プロジェクトを依頼した。

 この検証で得た経験も、製品化したフロートに生かした。