24円/kWhでも事業性を確保

 実は、下段の用地で稼働している固定型サイトが先行して稼働した。2012年度に設備認定を取得し、買取価格36円/kWhで売電している。出力54kW分のパネルを並べ、50kW弱を低圧配電線に連系している。南北に細長い用地で、低圧案件としては比較的狭いため、設置角を5度に寝かせ、アレイ単位を4段・6列で24枚とし、これを8列並べる構成にした(図2)。

図2●先行して稼働した固定式架台のサイト
図2●先行して稼働した固定式架台のサイト
(出所:日経BP)
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 この発電所の事業性が良好なことから、土地所有者は、隣接する用地も太陽光発電所に使うことを計画。SKYエナジー岡山がその設計・施工を担当した。ただ、この時点で取得した設備認定は売電単価24円/kWhに下がっていた。

 平地ではあったが、もともと南北に細長いため、基礎・架台の設置・施工効率は良くない。加えて、この地域は1~2月に雪が降ることもあり、そうなると設置角5度では、パネル上の雪が落ちず、数日間、発電量が半分程度に減ってしまう。といって設置角を大きくしアレイ(パネルの設置単位)の間隔を広げると設置枚数が減ってしまう。

 こうした条件を考慮すると、売電単価24円/kWhでは、目標とする投資効率を実現することが難しかった。

 そこで、SKYエナジー岡山の山本会長は、以前から関心を持っていた一軸式追尾型架台を導入することを提案し、その方針で建設することになった。複数の追尾式架台を検討し、エルム(鹿児島県南さつま市)の開発・製造する東西一軸追尾型太陽光発電システム「eMAX-SP <Lines>」(イーマックスSP・ラインズ)を採用した。