貯木時の係留用の木を活用して設置

 最初の採用例となった衣浦事業場内の水上メガソーラーでは、このフロートを使い、7680枚の太陽光パネルを浮かべた(図5)。

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図5●貯木場跡の池の上に7680枚のパネルを浮かべた
図5●貯木場跡の池の上に7680枚のパネルを浮かべた
ところどころ突き刺さっている大きな木は貯木時の係留用。フロートの係留にも活用(出所:上はイビデンエンジニアリング、下は日経BP)
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 池にはところどころ、大きな木が突き刺さっている。これは、貯木場だった時代の名残で、合板事業に必要な木を、池の中の所定の位置に係留しておくために使われていた。

 これらの木を、フロートの係留に活用している。木とフロートをワイヤーで結んでいる。 衣浦事業場には、この水上メガソーラーのほかに、地上設置型の太陽光発電所もある。発電量を比べると、気温が高い時期では、パネル1枚あたりの発電量が、水上メガソーラーの方が約5%多いという。

 結晶シリコン型の太陽光パネルは、気温の高い時期には、出力の低下する特性がある。水の上に浮かべた場合、水によるパネルの冷却効果により、地上設置型に比べて発電量が増えるのではないかと見ている。