水上での作業を最小化

 現地での施工は、できるだけ地上で実施し、水上での作業を極力、減らしている。これによって効率的、かつ、安定した作業を可能とし、施工性が高まる。フロートの方式に関わらず、一般的に水上での作業が増えるほど、施工の効率は落ちる。

 ただし、地上での作業や、組み立てたユニットをクレーンで水面に吊り下ろすため、一定のスペース(10m×6m程度)が必要になる。

 簡素な構成で、ユニットの組み立てが容易なこと、金属部に軽量なアルミ材を採用していることも、施工性を高めるという。日本コムシスが施工した加東市の2MWの案件では、工期が約5カ月間で済んだ。その背景には、こうした設計上の工夫があったという。

 施工時はまず、フロートを係留するための杭を設置する(図5)。推奨しているのは、池の岸に打ち込む方法である。杭とフロートは、ステンレスのワイヤーで結ぶ。強風時でもフロートが水面で浮き上がらないようにし、安定性・信頼性を高めるためにも重要となる。

図5●係留するための杭を打ち込む
図5●係留するための杭を打ち込む
強風によるフロートの吹き上がり防止も担う(出所:タキロンエンジニアリング)
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