奈良県で2015年7月、出力約1.4MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)が稼働した(図1)。水上と地上設置で構成され、前者は約0.9MW、後者は約0.5MWとなる。水上に太陽光パネルを浮かべる部材であるフロートに、従来とは異なるタイプを採用し、関心を集めた。

[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]
図1●奈良県のメガソーラーの水上部
[画像のクリックで拡大表示]
図1●奈良県のメガソーラーの水上部
[画像のクリックで拡大表示]
図1●奈良県のメガソーラーの水上部
台湾Sun Rise E&T社製フロートを採用。4mの管で強固に組む(出所:日本管材センター)

 桟橋や生け簀のように、全体を強固な構造に組み立てたもので、従来の浮きのような部材を連結して組み立てる方式とは大きく違う。

 具体的には、長さ約4mの高密度ポリエチレン製の管を2本、平行になるように組み、2枚の太陽光パネルを縦向きに固定するユニットを構成する。このユニットを、必要な数だけ連結し、水上に浮かべる。2本の管は、ブラケットと呼ぶ支持具を使って、平行になるように固定する。この支持具の上に、金属製の架台を乗せ、太陽光パネルを固定する。

 地上で複数枚のパネルを固定してユニット化しておき、パネルを固定した後、クレーンで吊り上げて、水上の設置する位置に降ろす。

 製造したのは、給排水部材メーカーである台湾Sun Rise E&T社(旭東環保科技股份有限公司)である。同社は、日本管材センター(東京都中央区)の助言を受け、樹脂製の管材を応用したフロートを製造・販売している。

 日本管材センターは、配管材などの商社で、水上の太陽光発電所が広がりつつある中、従来から取引のあったSun Rise E&T社に、管材の新たな応用分野として、フロートの開発を促した。Sun Rise E&T社製フロートの日本における販売代理店も務める。