「眠れないを改善するために」 チームSleepeer 土井貴仁氏

 最後に登壇したチームSleepeerの土井貴仁氏は、自らが中学校時代から悩み続けた不眠症を克服した経験をもとに「日本初、本気で睡眠を改善させるサービス」を計画している。4番目に登壇したチーム ふわモコがぬいぐるみデバイスを介在したのに対し、本サービスで鍵となるのは「認知行動療法」である。

チームSleepeerの土井貴仁氏
チームSleepeerの土井貴仁氏
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 認知行動療法とは、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種であり、これを応用した不眠症治療によって土井氏は10年にも及ぶ不眠症から解放されたのだという。その効果を次のように説く。

 「私の不眠の原因は、誤った知識をもとに睡眠にとって良くない行動を続けていたことにあった。例えば眠れなくても布団に入っていれば疲れが取れると聞いたことがあるだろう。実はこれは睡眠に良いどころか、不眠の原因にもなりかねない。このように正しい知識を身につけ、睡眠にとって良い行動を増やすことで睡眠を改善することができる。これを実施するのが認知行動療法による不眠治療だ」(土井氏)

土井氏は「日本初、本気で睡眠を改善させるサービス」を掲げる
土井氏は「日本初、本気で睡眠を改善させるサービス」を掲げる
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 現在は睡眠カウンセラーとしても活動する土井氏が手掛けるのは、こうした適切な不眠症対処を提供する睡眠改善プログラムアプリだ。スマートフォンを使い、6週間にわたって睡眠に関する正しい知識を継続的に学んでいく仕組みで、週ごとにテーマを設定するためにスモールステップで学ぶことができる。学習には動画を用い、認知行動療法をもとにコンテンツを作成する。継続困難な際には、土井氏のような不眠克服者によるマンツーマンのケアサポートも予定する。

 ビジネスモデルに関しては月額課金やプログラムごとの料金徴収を考えている。「本気で睡眠改善を心がける人でないと無理なプログラム。フリーミアムモデルでむやみに間口を広げる考えはない」(土井氏)。一方で無料期間を設け、少しでも多くの人に対して、認知行動療法を用いた不眠症対策の啓蒙に努めていく方針だ。