リハビリロボットが米国から“来日”した。その名は「Ekso(エクソ)GT」。米国カリフォルニア州リッチモンドに本拠を置くEkso Bionics(エクソバイオニクス)が開発したスケルトン型ロボットで、現在、世界各地130カ所のリハビリセンターで採用されている。

リハビリロボット、エクソGTの歩行デモンストレーション
リハビリロボット、エクソGTの歩行デモンストレーション
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 “来日”の目的は、合同会社SARRが主催するスタートアップ向けのシリーズイベント「kizki PITCH」(2016年10月28日)への登場だ。SARRは産学連携の研究成果などから生まれた新進技術を事業化することを目的に活動しており、その一環として2016年1月からkizki PITCHを開催している。これまでヘルスケア、フィンテック、ドローンと多彩な題材を取り上げてきたが、第5回となる今回はヘルスケア向けロボットをテーマとした。

 エクソバイオニクスの前身はカリフォリニア大学バークレー校(UCバークレー)の大学発ベンチャーとして2005年に発足した。当初は軍事用の下肢サポートツールを手掛け、それらの研究を応用して2012年にリハビリロボットの市販を開始。2016年4月には、主力製品のエクソGTが脊椎損傷、脳梗塞のリハビリ用機器としてFDA(アメリカ食品医薬品局)に承認され、同年8月にはナスダックへの上場も果たした。なお、リハビリ用ロボット同様、産業支援ロボットにも力を入れている。

 エクソバイオニクスCEOのThomas Looby(トーマス・ルービー)氏は、エクソGTがもたらす社会的意義を次のように語った。

 「脊髄損傷、脳梗塞の患者は歩行が困難なため、そのほかの病気を併発する可能性が高く、結果的に医療コストがかかってしまう。米国でも、脳梗塞によって発生する医療コストは膨大だ。我々はエクソGTでこうした課題解決のサポートをしていく」(ルービー氏)。