2018年度診療報酬改定で保険適用になったオンライン診療。「画期的で大きな前進」と評価される一方で、「算定要件や施設基準が現場に合っていない」といった課題が指摘されている。

 京都府立医科大学の加藤浩晃氏は、「第22回 日本遠隔医療学会学術大会」(2018年11月9~10日、九州大学医学部百年講堂)の遠隔診療モデル研究分科会セッションで、現状の課題と、その要因になっている算定要件の細目が決定された経緯を明らかにした。

京都府立医科大学の加藤氏
京都府立医科大学の加藤氏
[画像のクリックで拡大表示]

 加藤氏はまず、オンライン診療料などの算定要件を簡単にまとめると、「3カ月ルール」「6カ月ルール」「12カ月ルール」があると説明。3カ月ルールとは「3カ月に1回は対面診療が必要」であることを、6カ月ルールとは「算定可能な患者はオンライン診療料対象管理料等を初めて算定してから6カ月以上を経過した患者である」ことを、12カ月ルールとは「管理料を算定してから最初の6カ月は毎月もしくは直近12カ月以内に6回以上の対面診療を行っている」ことを示す。

 この他に、緊急時におおむね30分以内に対面診察ができる体制であること、また1カ月間の再診に占めるオンライン診療料の算定回数が1割以下であること、などの13項目が通知に示されていると説明した。

 こうした算定できる対象患者や算定要件、施設基準などから、保険診療でのオンライン診療の現状には、3つの課題があると指摘した。