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センサーと人工知能で精神科疾患が診察できる!(page 4)

独自のアルゴリズムで治療効果予測や早期退院支援も

2016/11/16 04:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス
出典: 日経メディカルOnline,2016年11月10日 , (記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

埋もれてきた膨大な診療情報を活用

 精神科領域で客観性が軽視されてきたのは、問診だけではない。電子カルテに記載された膨大な診療情報もまた、長らく「客観的評価」が行われてこなかったものの1つだ。

 精神疾患患者の診察記録として電子カルテに記載されているのは、冗長な自由記述文であることが少なくない。しかも医師ごとに違う経験や考え方が書き方に反映してしまうため、同じものを見ても書かれる文章は異なってくる。

 こうしたカルテの自由記述文から、統合失調症患者の入院長期化や再発に影響を及ぼす因子を抽出して、医師と看護師、ケースワーカーの3者がいち早く対処すべき項目を共有できる形に整理することで、早期退院や再発予防につなげられるのではないか。そんな取り組みを2016年7月から実地診療で始めたのが、約300床の精神科病院である桶狭間病院藤田こころケアセンター(愛知県豊明市)だ。活用するのは、米IBM社の人工知能「Watson(ワトソン)」。

「これからの精神科医療では、退院後の患者の再発防止に向けた地域との連携が重要になる。そのための情報共有の仕組みの構築も欠かせない」と話す桶狭間病院藤田こころケアセンターの藤田潔氏
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 精神科領域では「膨大な電子カルテ情報が、眠ったまま活用されていない」。桶狭間病院藤田こころケアセンター院長の藤田潔氏はこう指摘する。精神科では「医師も看護師も冗長な文章でカルテを書きがち」(藤田氏)だ。3カ月の入院を3度繰り返した患者のカルテ情報をすべて読もうとすれば500分かかるという試算もある。精神科では治療期間が10年、20年に及ぶ患者も珍しくなく、とてもその患者の全てのカルテには目を通せないのが実情だ。

 そこで藤田氏は、大塚製薬および日本IBMと協力し、Watsonを活用した精神科向け電子カルテ解析システム「MENTAT(メンタット)」を開発。藤田こころケアセンターで2016年7月から稼働を始めた。大塚製薬と日本IBMはこのシステムを今後、外販していく考え。そのための合弁会社「大塚デジタルヘルス」を2016年6月に立ち上げるという力の入れようだ。

日経デジタルヘルス Special

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