次世代シーケンサーと独自パネルで解析

 国立がん研究センターは新設したSCI-Labを使い、2016年1月にTOP-GEARプロジェクトの第2弾となる臨床研究「TOPICS-2試験」を始める。対象は、同センター 中央病院または東病院で治療中で、網羅的遺伝子検査が治療選択に有用と判断された患者。標準的な抗がん剤治療が終了した患者や希少がん患者、AYA世代(15~39歳)の患者なども対象になる。年間で約200例を解析する予定だ。

SCI-Labに導入した米Illumina社の次世代シーケンサー「MiSeq」を紹介する、国立がん研究センター 中央病院 病理・臨床検査科 医員の角南久仁子氏
SCI-Labに導入した米Illumina社の次世代シーケンサー「MiSeq」を紹介する、国立がん研究センター 中央病院 病理・臨床検査科 医員の角南久仁子氏
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 TOPICS-2試験では、TOPICS-1試験にも使った検査キット「NCC オンコパネル」と、SCI-Labに新規導入した米Illumina社の次世代シーケンサー「MiSeq」を使って網羅的遺伝子解析を行う。NCC オンコパネルは国立がん研究センター研究所が開発した日本人向け検査キットで、「日本人に多く認められているがんを診断できる」(落合氏)。同パネルを使えば「がんの治療選択にかかわる約100の遺伝子異常を、約2週間で網羅的に調べられる」(国立がん研究センター 中央病院 病理・臨床検査科 医員の角南久仁子氏)という。