遠隔での診断でも「問題なし」

 Joinでは、クラウドとモバイル端末(スマートフォン)を活用し、医療従事者間のコミュニケーションを提供する。X線CTやMRIなどの医用画像、さらには手術室や集中治療室(ICU)などの院内映像を、互いに離れた場所にいる多数の医師がリアルタイムに共有できる。チャット機能も備え、医師の“集合知”を脳卒中などの迅速かつ適切な診断・治療につなげる。

 髙尾氏はJoinの効用について、東京慈恵会医科大学附属病院への導入前後で、平均の入院日数で1.6日、総医療費で6万円の削減効果があったことを紹介した。今後は、患者の予後改善につながるかどうかが検証課題だ。

 3省4ガイドラインに準拠させるなど、Joinではセキュリティー面にも配慮した。慈恵医大グループなど6病院において医用画像(DICOM)を遠隔診断した3642症例において、(遠隔での診断が)問題となった症例は1例も確認されていないという。