クラウド型EHRやPHRを普及させる

 健康・医療・介護サービス分野でのICT利活用について総務省ではこの他、「ネットワーク化」や「データ利活用」をキーワードとした取り組みに力を入れる。

 ネットワーク化については、安価かつ情報連携に向くクラウド型EHR(Electronic Health Record)の普及を促進する。全国には現在、約240の医療情報連携ネットワークが存在するものの、「クラウド型は1/3にとどまる」(吉岡氏)。近く、国会に20億円の補正予算を提出し、まずはモデルとなるクラウド型EHR基盤を10拠点ほど整備する考え。これをその後、全国展開するという。

 データ利活用については、個人ベースの健康情報基盤であるPHR(Personal Health Record)のモデル構築事業を進めている。前橋市では妊娠・出産・子育て支援、神戸市や名古屋市では疾病・介護予防、西宮市や(佐賀県)多久市では生活習慣病の重症化予防にそれぞれ重点を置いたPHR基盤を構築中。これらのモデル事業を通じ、さまざまな医療・健康データを「横断的に利用できるプラットフォームの開発」(吉岡氏)を進めていくとした。