糖尿病領域におけるオンライン診療のエビデンス

メドレーの川田氏
メドレーの川田氏
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 禁煙は、今回の学会のテーマである糖尿病の治療や予防にも関連してくる。喫煙によって血糖の上昇やインスリン抵抗性を増大させることが知られおり、さらに心血管疾患や腎症などの合併症のリスクを高めるからだ。

 オンライン診療は、糖尿病などの生活習慣病の治療に関しても臨床適用されることへの期待が高まっている(関連記事)。先行する海外では、関連する論文が2000件以上発表されているという。特に、糖尿病領域におけるエビデンスとして、川田氏は2016年に発表された対面診療とオンライン診療におけるHbA1cの効果測定を実施した論文を提示(Diabetes Res Cli Pract,2016「Dose telemedicine improve treatment outcomes for diabetes? A meta-analysis of results 55 randomized controlled trials」)。「オンライン診療を受けた糖尿病患者は、従来のケア(非オンライン診療)に対して有意なHbA1c改善効果があったことが示されている」(同氏)とした。

 糖尿病や高血圧、高脂血症などの患者は、自覚症状がないと自発的な通院がなされずに重症化するケースが多い。「国民健康栄養調査のデータによると、高血圧患者の6割、糖尿病患者の4割が健康診断などで異常を指摘されても、未治療で放置されている現状がある。オンライン診療を組み合わせることにより、通院の負担や受診時間が確保し、未治療状態の改善、治療継続を促進できると考えている」(川田氏)と述べた。