オンライン診療と対面診療を組み合わせた禁煙治療は、対面診療のみの治療と比べて約1.5倍の治療継続効果がある――。メドレーに勤務する医師である川田裕美氏は、「第17回 日本糖尿病情報学会年次学術集会」(2017年9月2~3日、佐賀市)において、このようなデータを発表した。

 このデータは、メドレーによるオンライン診療と対面診療を組み合わせた禁煙プログラムの臨床研究によるもの。同プログラムには、患者と医療機関、企業(保険者)が参画。企業(保険者)が禁煙に取り組もうとする社員を募集し、そのリストに基づいてメドレーが禁煙治療をオンラインで実施している提携医療機関に橋渡しすることで実施した。

 臨床研究の結果は自治医科大学 地域医療学センターの小谷和彦氏らと協力して論文化を進めているが、その中で冒頭のようなデータが出たという。具体的には、対面のみの禁煙外来群(3471人)とオンライン診療を組み合わせた禁煙プログラム群(227人)を比較すると、禁煙外来に4回以上通院した患者は、対面のみの場合が51%だったのに対し、オンライン診療を組み合わせた場合は75%だった。

オンライン診療を組み合わせた禁煙治療は継続率が向上する結果に
オンライン診療を組み合わせた禁煙治療は継続率が向上する結果に
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 この結果について、川田氏は次のように語る。「そもそも対面のみの禁煙外来は、最後まで通院しきる人は半数に満たず、通院の負担やストレスから離脱する。オンライン診療と組み合わせると1.5倍程度の治療継続が可能という結果が得られた」。