「認知症を早期に発見し、MCI(軽度認知障害)の段階で介入することの意味は大きい」――。衆議院議員の鈴木隼人氏は、2017年9月4日に開催された「全国認知症予防ネットワーク」設立総会と併せて行われた「認知症予防サミット」で、このように訴えた。

「全国認知症予防ネットワーク」設立総会にて
「全国認知症予防ネットワーク」設立総会にて
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 全国認知症予防ネットワークは、認知症の正しい理解を広めるために設立された国内初となる全国組織。認知症予防の質の向上や普及啓発を行う。鈴木氏は、同ネットワークの呼びかけ人だ。

衆議院議員の鈴木隼人氏
衆議院議員の鈴木隼人氏
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 現在の認知症検査は、認知機能の低下がある程度進んでから現れる指標を用いた検査が多い。そのため、MCIの状態やそれ以前の症状を捉えることが難しかった。より早期に認知機能の低下を捉えられるようになれば、認知症の進行を遅らせることに加え、そもそも認知症を発症する前に食い止めることができる可能性がある(関連記事:認知症、早期発見時代への幕開け)。鈴木氏が語ったのは、こうした早期介入のメリットである。

日本イーライリリー 研究開発本部担当 副社長の藤本利夫氏
日本イーライリリー 研究開発本部担当 副社長の藤本利夫氏
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 早期介入に向けた取り組みの一例として、認知症予防サミットのパネルディスカッションに登壇した日本イーライリリーは、早期介入に対応した認知症治療薬の開発に力を入れていることを紹介した。「認知症が進行して神経が破壊される前に介入できるような薬を開発できれば」(同社 研究開発本部担当 副社長の藤本利夫氏)。