「福島県の復興には、“命を預かる産業”である医療機器産業の発展が欠かせない。世界をリードする一大集積拠点を福島につくりたい」――。

 福島県は2016年8月23日、同年11月に郡山市に開所する「ふくしま医療機器開発支援センター」のオープニングプレイベントを東京都内で開催した(関連記事1)。同センターは国内初をうたう、医療機器の開発から事業化までを一体的に支援する拠点。大型動物(ブタ)を使った安全性試験や、人材育成、マッチング、コンサルティングなどの機能を医療機器メーカーや医療機関、ものづくり企業などに向けて提供する(同2)。

福島県知事の内堀雅雄氏
福島県知事の内堀雅雄氏
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 プレイベントの基調講演には、福島県知事の内堀雅雄氏が登壇。東日本大震災からの復興の原動力の1つに位置付ける、医療機器産業育成の取り組みを語った。

 福島県は2005年から「うつくしま次世代医療産業集積プロジェクト」を推進。同年に全国8位だった医療機器生産金額は、2014年に全国3位まで高まった。医療機器の受託生産金額では全国1位。医療機器製造業の登録企業数も過去10年間で2倍に増えるなど「層の厚い医療機器産業」(内堀氏)が育ちつつある。ふくしま医療機器開発支援センターの設立で、これをさらに後押しする狙いだ。