「プレゼンティズム」に着目したDeNA

ディー・エヌ・エー  CHO室 室長代理の平井孝幸氏
ディー・エヌ・エー CHO室 室長代理の平井孝幸氏
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 出勤しているにも関わらず、心身の健康上の問題により十分にパフォーマンスが上がらない「Presenteeism(プレゼンティズム)」状態の従業員に目を付けた事例も出てきた。ディー・エヌ・エー(DeNA)による、社員の食事や運動、メンタル、睡眠を改善するための取り組みがそれだ。

 プレゼンティズムとは、二日酔いや腰痛、花粉症などの状態のこと。プレゼンティズムによる会社全体の経済損失は「年間23.6億円にも上る」(DeNA CHO室 室長代理の平井孝幸氏)という。誰にでも当てはまる軽視しがちな症状だが、数値を見ると決して無視できる値ではないことがわかる。

 同社ではかねて、プレゼンティズムの従業員が多いことが課題であったという。そこで、腰痛やヨガに関する健康セミナーを開催したり、トイレの個室や会議室に意識変容を促すポスターを貼付したりといった取り組みを行っている。今後は、「仕事内容に応じて働く場所を選べるようなオフィス環境を整えたり、植物などの気分転換になる仕掛けを設置したりしたい」と平井氏は話す。

■変更履歴
記事初出時、健康投資効果に関する記述で「4米ドル」とあったのは「3米ドル」でした。プレゼンティズムによる経済損失の記述で「社会全体」とあったのは「会社全体」でした。お詫びして訂正します。記事は修正済みです。