収入も平均的な職業よりも高い

 日本よりも個人を大切にするという傾向もあるという。日本の介護施設では、機能訓練などをみんなでまとまってやる、というケースが多い。しかしこちらの施設では入居者を1対1でサポートをするのが基本だ。介護士は大学を出てから専門の知識、技術を学び、仕事に就く。その分収入も平均的な職業よりも高いという。

 機械化の考え方は病院でも同じで、ベッドのシーツや食事などを運ぶロボットや血液検査を自動化する機械、自走して手術室を殺菌するロボットなどが開発され、一部は既に導入されている。ユニークな例では、トイレで用を済ませた後にズボンを上げるロボット、入浴介助のロボットなどもある。

 最後に、デンマークは日本企業と協力して機器の開発などを行いたいと希望している、と紹介した。デンマークへの進出はハードルが高いものの、公的機関の所有するヘルスケアデータの利用など、協力によって得られるものもあり、高齢者向けの分野では魅力的なのではないか、として講演を締めくくった。