【Ubie】「少ない質問で高精度に病名を推定」

 次に登壇したのは、症状から病気を推定するスマホアプリ「Dr.Ubie」を提供するUbie共同代表取締役の久保恒太氏。Dr.Ubieは、「患者は症状から適切な対処法を選択できない」(同氏)という課題から生まれたもの。ユーザーが質問に答えていくだけのアプリである。

Ubieの久保恒太氏
Ubieの久保恒太氏
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 病気を推定するサービスは他にもあるが、Dr.Ubieは「少ない質問でも、高精度に病名を推定できる」(久保氏)のが特徴だと説明する。1400の症状と400の病気が登録されており、各文献から4年間蓄積した病名予測の最適化データに対して機械学習の手法の一つ「Bayesian network」を使って推定しているという。

 一方、病院向けのサービスとして、患者がタブレット端末で入力したデータを医師が共有・活用できる「AI問診Ubie」を展開している。患者が質問に答えると、「医師は症状のサマリーや病気の確率をチェックできるほか、カルテへの出力にも対応する」(久保氏)。さらに製薬企業向けには、個人用として症状に合わせた医薬品の広告を表示するサービスと、医師向けに医薬品の広告を表示するサービスを進めている。

 最後に久保氏は、「世界中の人々を適切な医療に案内する」という自社のミッションを提示。医師と患者の間にある医療情報格差の存在を指摘し、「それを是正して適切な医療に導くことで、医療コストなどの問題を打破していく」と語った。