まだ30代前半なのに、目のピントが合わない“老眼”に――。スマートフォンの普及に伴い、そんな“スマホ老眼”に悩む人が急増中だ。

 スマホ老眼とは、スマートフォンやパソコンの画面を長時間見続けるなど目を酷使することで、一時的に老眼のように目のピント調節機能が衰える症状。一般的な老眼が40代後半以降に多いのに対し、スマホ老眼はスマートフォン利用率の高い20~40代に多く、10代にも増えているという。

 老眼とスマホ老眼は、ピントが合わないという症状は似ているものの原因は異なる。老眼は加齢に伴い、目の水晶体が弾性を失って硬くなることで起こる。対してスマホ老眼は、水晶体は柔らかい状態を保っているが、水晶体を動かす筋肉(毛様体筋)が凝り固まった状態だ。この結果、目がかすんだり、ぼやけたり、しょぼしょぼしたりし、ドライアイの要因にもなる。

スマホ老眼ならぬスマホ“労”眼に効くことを訴求したサプリメントを発売するファンケル
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 スマホ老眼の症状を放置すると「頭痛や肩こり、めまいを伴うことがあり、重症化すると自律神経失調症や軽度うつにもつながる可能性がある。早めのケアが重要だ」。2017年3月2日、ファンケルが東京都内で開催した記者説明会にビデオ出演した梶田眼科(東京都港区)院長の梶田雅義氏は、こう指摘した。

 この説明会で明らかにされたのは、そんなスマホ老眼のまさに放置できない実態だ。