日本医療ネットワーク協会は今、電子カルテなどの医療・健康に関する記録を全国規模で一元的に集めるEHR(Electronic Health Record)の構築を目指している。日本医療研究開発機構の採択事業で、プロジェクトの愛称は「千年カルテ」だ。

 個人の記録を患者が参照するほか、医療機関同士の情報連携や、匿名化した大規模データ群を研究開発などで2次利用することなどを構想している。2次利用者からの利用料で運営資金をまかなう“自立型”のシステムを作る方針だ。

 実名でのEHRを2015年度に構築、次年度以降の法整備後に、匿名化して2次利用できるようにしていく予定である。

 日本医療ネットワーク協会は2015年12月18日、この千年カルテプロジェクトに関連したシンポジウムを京都大学で開催。個人情報保護や医療等IDなど制度面の課題をテーマとし、3つの基調講演と4つの特別講演が実施された。

「千年カルテプロジェクト 京都シンポジウム ~次世代EHR基盤をとりまく法的諸課題~」と題して開催された
「千年カルテプロジェクト 京都シンポジウム ~次世代EHR基盤をとりまく法的諸課題~」と題して開催された
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 本レポートでは、このうち基調講演の様子を紹介いていく。