日々の報告に必ずコメント返信

 「業務報告」機能は、患者台帳の業務記録などに入力された各スタッフの1日の業務実績を、院長に提出する業務報告書としてまとめるツールだ。患者ごとの業務記録やセルフケア画面で入力した情報を、実施者情報に基づいて各スタッフの日報として自動的にまとめられるので、これを基に退勤時に報告作業を行う。業務ごとに自動集計される実施回数に加え、スタッフの気づきや改善案、提案、感想、あるいは相談事などをテキスト入力でき、最後に院内メールで院長に送信する。ちなみに、業務報告には、スタッフの「退勤時の気分」を数値入力する項目もある。

業務記録やセルフケア画面で入力した情報はスタッフの日報としてまとめられ、退勤時に報告作業を行う。
業務記録やセルフケア画面で入力した情報はスタッフの日報としてまとめられ、退勤時に報告作業を行う。
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 こうしたスタッフの業務管理や報告の重要性について松本氏は次のように述べる。「当院の自費診療では、初診と2回目の来院時は、ほぼカウンセリングに時間を費やします。そこでどのようなカウンセリングが行われ、患者さんのニーズや問題点は何だったか、治療説明が適切だったか、スタッフと患者さんの相性がどうだったか――などを知ることは、継続来院に大きく影響します」。同氏は、スタッフの不満や提案を汲み取るためにも、こうしたツールが非常に役立つと話す。「そのために、報告に対して必ず何らかのリアクションをするか、コメントを丁寧に書いて返信しています」という。

 また、業務報告は日計台帳に集計され、どのような業務がどれくらいの頻度で実施されたかをスコアとして積算、稼働状況を追跡できるようになっている。さらに、各スタッフの業務量を把握できるため、特定のスタッフに業務が集中していないかといった労働管理や評価にも利用している。まさに医院運営の支援ツールとして機能しているわけだ。「将来的には、スコアを業務査定のベースに利用し、ボーナスへの反映なども考えていこうと思っています」(松本氏)とも言う。

業務報告の内容は日計台帳に集計され、1カ月のスタッフの稼働状況を追跡できる。
業務報告の内容は日計台帳に集計され、1カ月のスタッフの稼働状況を追跡できる。
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