「1日に何回、どのように歯を磨いているか。患者の自宅での歯みがき状況を歯科衛生士が把握できれば、患者に適切な指導をすることができる」(日吉歯科診療所に勤める歯科衛生士)。そんなニーズに対応するサービスを、サンスターと富士通がタッグを組んで開始する。2017年12月25日に開催した記者会見で発表した。

(左)富士通 第二ヘルスケアソリューション事業本部 ビジネス戦略統括部 新ビジネス推進室 室長の山田直樹氏、(中央)日吉歯科診療所 理事長の熊谷崇氏、(右)サンスターグループ オーラルケアカンパニー マーケティング部 統括部長の淡島史浩氏
(左)富士通 第二ヘルスケアソリューション事業本部 ビジネス戦略統括部 新ビジネス推進室 室長の山田直樹氏、(中央)日吉歯科診療所 理事長の熊谷崇氏、(右)サンスターグループ オーラルケアカンパニー マーケティング部 統括部長の淡島史浩氏
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 サンスターグループ オーラルケアカンパニーが手掛けるIoTスマートハブラシ「G・U・M PLAY」と、富士通が開発した歯科医院向けクラウドサービスを連携させたサービスである。具体的には、G・U・M PLAYに蓄積された毎日の歯みがき情報と、歯科医院向けクラウドサービスに集約された患者の口腔情報を連動することができる。これによって、歯科医師や歯科衛生士は患者の自宅での歯みがき状況を確認することができ、より適切な歯科指導が可能になる。

今回発表した先進予防歯科サービスの概要
今回発表した先進予防歯科サービスの概要
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「G・U・M PLAY」概要(プレスリリースより)
「G・U・M PLAY」概要(プレスリリースより)
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歯科医院向けクラウドサービスの概要(プレスリリースより)
歯科医院向けクラウドサービスの概要(プレスリリースより)
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 2017年12月25日から予約を受け付け、2018年1月31日に製品の提供を開始するという。2020年までに500の歯科医院へ導入することを目指す。

磨き残しが多い部分をアプリに表示

「G・U・M PLAY」アプリ画面イメージ
「G・U・M PLAY」アプリ画面イメージ
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 サンスターグループが手掛けるG・U・M PLAYは、患者が正しい歯みがきを行えるようにするための製品である。2016年4月に発売した。歯ブラシに3軸加速度センサーとBluetooth通信モジュールを搭載したアタッチメントを装着することで、スマートフォンアプリで歯みがきを可視化できる(関連記事)。

 どの歯を何秒磨いたか、磨き残しがないかなどをアプリで確認することが可能である。アタッチメントには、歯科衛生士が患者の口腔状況に合わせた磨き方を登録でき、正しい磨き方と自分の磨き方がどれだけ違うのか確認できる。

「MOUTH STATUS」画面イメージ
「MOUTH STATUS」画面イメージ
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 今回のサービス提供に合わせて、「MOUTH STATUS」という新しい機能も搭載した。歯科医院での検診結果を基に、歯1本ごとのプラーク(歯垢)残存レベルを設定する機能で、磨き残しが多い部分をアプリに表示できるようにした。

歯科医院向けクラウドサービスの概要
歯科医院向けクラウドサービスの概要
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 一方、富士通が手掛ける歯科医院向けクラウドサービスでは、レントゲン写真や検査結果などの医療情報を“歯の健康ファイル”として患者のスマートフォンやパソコンに共有し、家で治療の経過が確認できる。現在、50の診療所に導入されているという。