ヴォーンという音とともにドローンがふわりと宙に浮くと、思わず歓声があがった。集まった関係者はドローンが山を越え、患者のもとへ医薬品を届ける光景を思い描いていた――。

飛行実験の様子。ドローンはアミューズワンセルフ(大阪市)製 (写真:養父市)
飛行実験の様子。ドローンはアミューズワンセルフ(大阪市)製 (写真:養父市)
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 兵庫県北部の緑豊かな街、養父(やぶ)市。市役所前の河川敷で2015年11月末、市の関係者や一般市民、報道機関を集めて、ドローンの飛行実験が行われた。ドローンを用いた遠隔診療サービスについての基礎的な検証が、その目的である。医薬品を詰めることをイメージした箱を取り付けたドローンは、軽快に空を舞った。

 2015年12月10日、ドローンの活用を念頭に置いた改正航空法が施行された。ドローンを使ったビジネスが本格的に立ち上がろうとする今、応用の1つとして注目を集めているのが「医薬品の配送」だ。