遠隔診療のツールに

 催しを主催した養父市は2014年5月、国家戦略特区の1次指定地域(全国6地域)の一つに選ばれた。2015年1~2月には国家戦略特区における「近未来技術実証特区」の募集に応え、同市は三井物産と共同で「中山間地における遠隔医療と無人飛行機を活用した医療サービス」を提案。今回のドローン飛行実験は、このサービスの検証作業の1つとして実施したものだ。

医薬品を運ぶことをイメージし、箱を搭載した(写真:養父市)
医薬品を運ぶことをイメージし、箱を搭載した(写真:養父市)
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 両者が提案したサービスは、2つの内容から成る。第1に、ICTを使った血圧や血糖値の遠隔モニタリングとそれに基づく遠隔診療。第2に、遠隔診療で処方された医療用医薬品の、無人飛行機(ドローン)による配送である。市内唯一の総合病院である八鹿(ようか)病院と、同病院から5km圏にある宿南地区、同15km圏にある大屋地区などを結び、高血圧や糖尿病の患者に対してこれらの実証実験を行うことを計画している。

 内閣府が近未来技術実証特区の中心テーマに挙げたのは、「遠隔医療」「遠隔教育」「自動飛行」「自動走行」など。今回のサービスはこのうち「遠隔医療」「自動飛行」の2テーマにまたがる。