心血管インターベンション手技を支えるシステム

 華岡青洲記念 心臓血管クリニックでは、画像ネットワークシステムの導入にあたり、循環器診療に必要な高速検索・表示能力を持つこと、1台のPCで動画(血管撮影動画、心エコー動画)と静止画(一般撮影画像、CT画像、心電図)が統合的に参照できることを要件とした。オーダー情報と各モダリティーとのワークリスト管理にはMWM(モダリティーワークリスト管理)サーバーを導入。電子カルテシステムや動画・静止画管理サーバー、心電図サーバーなどを連携し、各モダリティーによる検査履歴をサムネール画像のマトリクス表示する統合画像ビューアを利用している。

 フォトロン メディカル イメージングの動画像ネットワークシステムを採用したのは、循環器専門医が日常診療で多用する動画像DICOMビューアに関して、「見たい部分を素早く表示できる操作性の高さから、医師陣がKada-Viewを高く評価していたためです」(理事・診療技術部長の山口隆義氏)。

理事・診療技術部長の山口隆義氏
理事・診療技術部長の山口隆義氏

 また、「心臓カテーテル治療、心エコー検査、CT検査の各画像を一元的に管理し、それに伴ってレポーティングシステムも1つのツールで運用したいと考えていました」(山口氏)とし、Kada-Reportの導入に至った。2016年9月に正式リリースされた最新バージョンである「Kada-Report4」は、エコーレポーティングシステムを標準搭載、FileMakerの機能強化により、ポップオーバー機能で目的に応じた項目の表示・非表示が行える、入力フォームと同じレイアウトでWebブラウザ(FileMaker WebDirect)により閲覧可能、などが特徴だ。

専門医の評価が高いFileMakerをベースとするKada-Report(左)、Kada-Viewの画面
専門医の評価が高いFileMakerをベースとするKada-Report(左)、Kada-Viewの画面
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 Kada-Reportの豊富な機能の実現に大きく貢献しているのが、FileMakerをデータベースエンジンとしていることだ。Kada-Reportの当初のバージョンはSQLデータベースとリッチクライアントで開発されていたが、「実際に診療現場に提案すると先生方の要望が様々あり、施設ごとのカスタマイズ工数が大きな負担でした。このためバージョン2以降は、機能追加が容易で現場の要望を受けてその場で改修できるといった特徴を備えたFileMakerをエンジンとして採用しました」(フォトロン メディカル イメージング 開発グループ長の吉村翔氏)という。華岡青洲記念 心臓血管クリニックが導入したKada-Report4は、FileMaker プラットフォームにて開発されたものである。