自動運転も「主役は人」

 自動運転についてもマツダは、人間を運転という労働から解放する技術とは捉えていない。通常は人間が運転しており、その裏でクルマが人や車、外界を把握し、仮想運転している――。これが同社の自動運転技術のコンセプトだという。

 マツダが目指す自動運転では、運転者の状態を検知し解釈する技術がキーとなる。この点から同社が着目したのが、人間の声から心の健康状態などを可視化する「音声病態分析」と呼ぶ手法だ。同社はMKI(三井情報)とともに、東京大学大学院 医学系研究科に2012年9月に設置された社会連携講座「音声病態分析学講座」に出資した。

 栃岡氏は、同講座の中心メンバーである東京大学大学院 医学系研究科 音声病態分析学講座 特任講師の光吉俊二氏、同特任准教授の徳野慎一氏とともに「第4回 健康長寿ループの会」(2015年12月10日、東京大学)に登壇。「~音声病態分析学が未来にもたらすもの~」と題する特別企画セッションで、音声病態分析に関する同社の取り組みを紹介した(関連記事)。