「感情」から「病態」へ

 声から感情が分かるなら、ストレスや気分障害の病態なども分かるのではないか――。そんな発想から光吉氏は以後、音声による病態分析の研究に力を入れるようになった。

 開発した感情の発現パターン解析手法を応用し、音声から発話者の心の健康度を数値化。ストレスや抑うつの度合いとして出力する。その結果を基に、健康な人とうつ病患者などを区別する基準(特徴量)を明らかにすることを目指す。

 この研究におけるパートナーが、光吉氏に続いて登壇した徳野氏である。徳野氏は防衛医科大学校などで、外科医療や救急医療、災害医療に携わってきた。