感情を「規格化」

 光吉氏は感情認識に関する研究を、感情表現にかかわる膨大な言葉を調査し分類することから始めた。感情を「規格化」し、使用言語にかかわらず工学的に扱えるようにするのが狙いだ。

 同氏によれば、日本語には感情表現にかかわる言葉が約4500語ある。これを英訳して223語に分類。さらにそれらを(1)快活(喜)、(2)主張・不快(怒)、(3)落ち込み(悲)、(4)平静(平常)という4つのグループに分けた。

 そして、これらの感情を「色彩」で表現。使用言語によらず感覚的に感情を把握できるようにした。(1)が「黄色」の感情、(2)が「赤色」の感情、(3)が「青色」の感情、(4)が「緑色」の感情という具合だ。いわば、感情の「RGBY」規格を作った形だ。

 こうした感情のモデル化のアプローチは、後にソフトバンクのロボット「Pepper」にも採用された。