構造の工夫で集中状態に誘う

 寺社仏閣は、鳥居をくぐるときに緊張し、参道をゆっくり歩くことでリラックスさせ、手水で再び緊張を高めて拝礼し、本殿へと進む構造である。この構造を現代のオフィスに再現しようと考えたのがThink Labだ。

「Think Lab」ゲート先の廊下
「Think Lab」ゲート先の廊下
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藤本壮介建築設計事務所 主宰の藤本壮介氏
藤本壮介建築設計事務所 主宰の藤本壮介氏
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 具体的には、鳥居の代わりとなるゲートを作り、ゲートの先には長い廊下が真っすぐ続いている。ここで緊張感を高めるのだ。その先にはエントランススペースが広がる。狭い廊下から別の空間に移るような設計によって、「緊張を解いて高揚感が生まれるように工夫を施した」と空間デザインを担当した藤本壮介建築設計事務所 主宰の藤本壮介氏は話す。

窓に向かって机が3列に並んでいる
窓に向かって机が3列に並んでいる
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列に応じて机や椅子が異なるのは、視線の高さや姿勢によって適したタスクが異なるため
列に応じて机や椅子が異なるのは、視線の高さや姿勢によって適したタスクが異なるため
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 利用者が仕事をするワークスペースは、座禅をするときの体勢からヒントを得て、窓に向かって机が3列並ぶ構造にしている。1人1つの机を用意し、自分のタスクに集中できるようにした。机や椅子によって視線の高さを変えることで、集中の仕方を変えられるようにした。内装は黒を基調とし、緑の植物を設置することでリラックスできるようにもした。

ヨガができる畳のスペースも用意されている
ヨガができる畳のスペースも用意されている
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ネスレ日本や大塚製薬、森永製菓などが食品を提供するカフェスペース
ネスレ日本や大塚製薬、森永製菓などが食品を提供するカフェスペース
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