渡邊高記念会(兵庫県)とシーメンスヘルスケアは、地域医療の発展を目指したパートナーシップを2018年11月9日に締結したと発表した。シーメンスヘルスケアが高度な医療機器を提供するとともに、地域医療における最適な運用をコンサルティングしたりする。将来は医療ビッグデータやAIを活用して、患者ごとに最適なケアを提供する個別化医療の確立を目指す。

左から渡邊高記念会の理事長の佐々木氏、シーメンスヘルスケアの代表取締役社長兼CEOの森氏
左から渡邊高記念会の理事長の佐々木氏、シーメンスヘルスケアの代表取締役社長兼CEOの森氏
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 渡邊高記念会は、高度急性期から在宅医療までをカバーし、地域に根差した医療連携を展開している。シーメンスヘルスケアが進めている「医療サービス提供の変革」や「医療デジタル化の推進」といった取り組みと渡邊高記念会の理念が一致してパートナーシップの締結に至った。

 都内で開催した記者会見で渡邊高記念会の理事長の佐々木恭子氏は「高度な医療機器の活用のサポートや次世代に向けた提案に期待している。医療機器の保守を一元化できる利点も大きい」とパートナーシップへの期待を語った。シーメンスヘルスケアの代表取締役社長兼CEOの森秀顕氏は「地域医療における自社のソリューションの有用性を示していきたい」と話した。

画像診断・治療、検体検査に関する最適な機器・システムを導入する
画像診断・治療、検体検査に関する最適な機器・システムを導入する
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 パートナーシップの契約期間は5年間。シーメンスヘルスケアは主に以下の内容を渡邊高記念会に提供する。(1)地域医療における戦略的な価値向上を目指したマスタープランの作成、(2)画像診断・治療、検体検査に関する最適な機器・システムの導入やメンテナンス、(3)早期発見から治療までのワークフローの総合的サポート、(4)主に循環器疾患において患者中心の理想的な個別化医療を確立するための包括的なサポート、(5)グローバルレベルでの知識交流や研究の推進である。

 シーメンスヘルスケアはこれまでに、博愛会(鹿児島県)と女性医療センターに関して、京都府立医科大学付属病院とPET画像検査センターに関して、伯鳳会(兵庫県)と救急災害医療に関してパートナーシップを締結してきた。今回は新たに地域医療に関して渡邊高記念会とパートナーシップを締結した。